上る、昇る、登るの違いが分かりますか。

「上る」は「下りる」の対語。階段を上る。川を上る。上り列車。うなぎ上りで出世コースを上り、社長にまで上り詰め、年収は1億円に上る。「昇る」は「降」の対語。エスカレータで昇る。日が昇る、など。「登る」はよじのぼる。木に登る。山に登る。沢登り。演壇に登る。ピッチャーがマウンドに登る。コイの滝登りのように出世し、天に昇る気分を味わいましょう。

一方、「下りる」「降」の例。会社役員を降りて、肩の荷が下りた。飛行機から降りるため、タラップを下りた。海に向かって社長の悪口を言って胸のつかえが下りた。人生の幕はまだ下りないぞ。

「伸びる」と「延びる」の違いを理解しましょう。

「伸びる」は縮むの対語。縮こまらないで背伸びしましょう。学力は伸び盛りと思ったら、羽を伸ばして、いつの間にか伸び悩み。ゴムひもや蕎麦も伸びちゃいますね。「延びる」は延期や延長など、広がるということ。航空路が延びて、安売り期間が延びると、遠くまで足を延ばせますね。つまり、平均寿命が延びると、平均寿命の伸び率は上昇します。

未婚の夫婦の子供は伸び伸び育って、婚姻届けの提出は延び延びになりました。

「疲れ果てて、のびちゃった」「高級クリームで、シワがのびる」などは分かりにくいので、平仮名がよいでしょう。

 

 

外(ほか)と他(ほか)の違いが分かりますか

外は、範囲のそと。思いの外(ほか)、もっての外(ほか)など。
他は、それ以外。他(ほか)に方法がない。他(ほか)の意見など。

使い分けに迷うときなどは平仮名(ひらがな)書きを活用しましょう。
「このチョコレートは、思いのほか美味しかった」
「外と他について、ほかに質問はありませんか」

まあ、ひらがなを使うのが無難ですね。
それにしても、日本語はなんて奥が深いのでしょう。
英語の「NO!」は日本語では「いや!」「無理!」ですが、「また今後にしましょう」や「申し訳ありませんが、お断りせざるをえません」などと言い換えることができます。
日本語をうまく使えば、心が豊かになるほか、感性が磨かれますね。

「修練」「習練」の違いを理解しよう

修練は「修練を積む」です。精神や技術を磨くことで、鍛錬と同じ意味。
長年の武道の修練により、免許皆伝を許されたなど。
でも、古くさくて、今時使うような言葉には思えません。
今では、ゲームの「 修練を積む」の方がピンとくるのかも。

もはや「eスポーツ」(エレクトロニック・スポーツ)の時代です。
コンピューターゲームやビデオゲームを用いた競技は「武道」なのです。
いずれ「eスポーツ」は、オリンピック競技となるでしょう。

eスポーツ

習練は「習い慣れる」ことです。上達するため繰り返し「練習」すること。
2022年には世界全体の「eスポーツ」の市場規模は約3300億円に拡大する見込み。
さあ、ゲームを習練しプロゲーマーになりましょう。そして、修練を積んで「eスポーツ」でオリンピックを目指しましょう。

「尊ぶ」「貴ぶ」(とうとぶ、たっとぶ)の違いを理解して使い分けよう

尊という字は「尊敬」ですね。つまり、〝大切にすべきもの〟。
神仏や祖先を尊ぶ。平和の尊さを知る。尊い生き方。などです。
ところが近年、素晴らしい漫画や小説などに対する称賛として「尊い」が用いられるようになりました。SNSでの「尊い」は、何かに感銘を受けた状態なのです。

貴という字は「貴重」ですね。〝価値がある〟ということです。
真実を貴ぶ。 貴い体験、貴い資料などです。分かりやすい言葉では、「私が納めた貴い税金を無駄に使うなよ!」。
「私は貴い身分なので、近寄りがたいのか、いまだに独身です」。あ、これは言い過ぎですね。

まさに言葉は時代を映すもの。
新しい若者言葉のいくつかは、次の時代にも引き継がれていきます。
それは「ヤバイ」と言わずに、「ヤバイ」ほど素晴らしいことだと理解しましょう。

得体(えたい)が知れないは、正体が分からないと言い換えましょう。

得体(えたい)が知れないは、正体が分からないと言い換えましょう。

得体とは、真の姿や考え。本当のこと、正体。
まー、文学的といえば、そうなんですけど。やはり、正体が分からないと言い換える方がきちんとした日本語でしょう。得体の語源は「為体」(ていたらく)や、僧侶の衣姿のことをいう「衣体(えたい)」と言われています。「為体」(ていたらく)とは現在では「好ましくない状態」や「褒められない状態」のこと。自堕落な生活をしていると、「体たらく!」と怒られますよね。また、僧侶の衣装「衣体(えたい)」は宗派で異なり、さらにそれぞれ紋の色にも定めがあります。着ている衣で宗派や格が分かったことから、正体、つまり「衣体(えたい)」が転じて、得体となったという説もあります。

得体が知れない?

いずれにしても「得体が知れない」という言葉は、それこそ得体が知れませんね。
正体が分からない、という方が、分かりやすいと思います。

空ける、開けるの違いが分かりますか。きちんと使い分けましょう。

空ける、開けるの違いが分かりますか。きちんと使い分けましょう。

空けると開けるの違い

空けるは、からになることです。空き缶や空きビン、空き部屋、空き箱のことですね。留守にすることを「家を空ける」。映画館に人が入らず「がら空き」。用事が終わって暇になることを「体が空く」など。

開けるは、ひらくこと。呆れて物も言えないことを「開いた口がふさがらない」。「開かずの門」「ふたを開ける」「壁に穴を開ける」「店を開ける」など。

ただし、平仮名書きの「あける」もあります。女優さんが突然病気になったりして「舞台に穴をあける」。競争相手を大きく引き離すことを「水をあける」など。違いは、具体的な物に対しては「開」を使い、抽象的な物に対しては、平仮名書きを使います。

転化と転嫁の違いを学ぼう。言い間違いで恥ずかしい思いをしないように

転化と転嫁の違いがわかりますか。どちらも読みは「てんか」ですよね。ところが、意味は全然違います。外国語を学ぶことも大事ですが、正しい日本語を学ぶことはもっと大事です。日常生活を真面目に生きるために、きちんとした日本語を使いましょう。

転は、転がるですね。ドラマやニュースで「土地転がし」が出てきます。所有者がどんどん変わって価格が高くなることです。要するに、「転化」とは、転がって化けることです。他の状態に変わることです。例えば「山を宅地に転化する」とか、心の問題として「愛情が憎悪に転化する」「美しいものが醜いものに転化してゆく」などです。

また生化学では、ショ糖が加水分解され果糖とブドウ糖になる現象を転化と言いますが、こちらは日常生活にはあまり関係はなさそうですね。

一方、「転嫁」とは罪や責任を押し付けることです。「消費税を価格に転嫁する」「失敗の責任を転嫁する」とかです。国や個人が、自分の過ちを人に押し付けるとか、ひどいですね。ところで、どうして転嫁には”嫁”の言葉が入っているでしょう。「転嫁」には2度目の嫁入り、つまり、再婚の意味があるのです。嫁が転がるとは、昔の人は上手いことを言いますね。

いずれにしても、日本語の意味を理解して、きちんと使いましょうね。